ふるさと納税のティッシュが損と言われるのは、1組あたりの寄付額が、楽天市場の通常販売の約2.3〜3.3倍になるからです。ただし控除上限に余りがあるなら、自己負担2,000円で約5,400円分の紙が届く計算になり、損とは言い切れません。
この記事の「還元率」は、同じ量を通販で買った金額を寄付額で割った値です。楽天ポイントの還元率ではありません(寄付へのポイント付与は2025年10月に終わっています)。トイレットペーパーの比べ方はトイレットペーパーの還元率を1mで比べるにまとめました。
60箱で比べると、寄付額は通販の2.3〜3.3倍
楽天ふるさと納税で、60箱(60パック)入りの4品を比べました。寄付額は2026年10月12日時点で、変わることがあります。
| 返礼品 | 自治体 | 内容 | 寄付額 | 1組あたり |
|---|---|---|---|---|
| エルモアティシュー | 栃木県佐野市 | 200組×60箱 | 13,500円 | 約1.13円 |
| エルモアプラスティシュー | 栃木県佐野市 | 220組×60箱 | 14,500円 | 約1.10円 |
| ソフトパックティッシュ | 大阪府泉佐野市 | 200組×60パック | 14,000円 | 約1.17円 |
| クラリスボックスティッシュ | 栃木県小山市 | 220組×60箱 | 16,500円 | 1.25円 |
比べる相手は、店頭ではなく楽天市場の通常販売です。「ボックスティッシュ 200組 5箱」の検索結果では、送料無料の60箱セットが4,600〜5,808円でした(2026年10月12日確認)。1組あたり約0.38〜0.48円、1箱にならすと約77〜97円です。
組数をそろえて割ると、返礼品は通販の約2.3倍(エルモアプラスと通販の高い側)から約3.3倍(クラリスと通販の安い側)になります。200組と220組を混ぜたまま箱数で割ると、差が大きく見えすぎるので注意してください。
通販の1箱(200組)を80円、90円、100円と置いたときの還元率は次のとおりです。220組の品は組数で換算しました。
| 返礼品 | 通販1箱80円 | 90円 | 100円 |
|---|---|---|---|
| 佐野市 エルモア(13,500円) | 35.6% | 40.0% | 44.4% |
| 佐野市 エルモアプラス(14,500円) | 36.4% | 41.0% | 45.5% |
| 泉佐野市 ソフトパック(14,000円) | 34.3% | 38.6% | 42.9% |
| 小山市 クラリス(16,500円) | 32.0% | 36.0% | 40.0% |
4品とも32〜46%に収まり、半分を超える品はありませんでした。
佐野市のエルモアティシューと小山市のクラリスボックスティッシュは、楽天ふるさと納税の検索結果から探せます。
損得の線は「通販の1箱価格×2.5」
暗算しやすくすると、返礼品の1箱(200組)あたり寄付額が、通販の1箱価格の2.5倍なら還元率40%です。通販が90円なら225円が40%の線で、佐野市のエルモアがちょうどここにいます。50%にするには1箱180円以下が必要で、今回の範囲にはありませんでした。
この数字をどう受け取るかは、寄付枠の残り方で分かれます。
控除上限の範囲内なら、寄付額から2,000円を引いた額が税金から控除されます(総務省 ふるさと納税のしくみ)。13,500円の寄付で約5,400円分(90円×60箱)の紙が届き、負担は2,000円。使い切れるなら3,400円ほど浮きます。
枠に限りがあるなら話は別です。ティッシュに13,500円使えば、その分はほかの返礼品に回せません。ほかの返礼品との比較は検証していないので断定はしませんが、枠の取り合いになる点は覚えておいてください。
自分の枠は控除上限シミュレーターで出せます。2026年分は基礎控除の見直しで一部の年収帯の上限が下がるので、基礎控除引き上げで上限はどう変わるかも確認しておくと安心です。
「損」と言われる理由は、どこまで本当か
3割ルールとは矛盾しない
総務省は、返礼割合を3割以下にすることなどを自治体の指定の条件にしています(総務省 ふるさと納税に係る指定制度について)。この3割は自治体の調達費の割合で、通販の売値とは別物です。通販換算で3割台というのは、制度の枠内ではごく普通の水準で、ティッシュだけが特に低いわけではありません。
送料は差を縮めない
返礼品の商品ページは送料無料の表示で、寄付額とは別の送料は見当たりませんでした。比べた通販の60箱セットも送料無料なので、どちらも送料込みの価格です。「送料込みだから実はお得」は、この比較では効きません。
ポイント廃止は差を広げた
総務省は、寄付に伴ってポイントを付与するサイトを通じた募集を禁止し、2025年10月1日から適用しています(総務省 指定基準の見直し等)。通常の決済に伴うカードのポイントなどは対象外です。一方、楽天市場の買い物にはポイントが付き、先の60箱セットにも「ポイント20倍」の表示がある品がありました。ポイントの全体像はポイント還元廃止の影響で確認できます。
