「ワンストップ特例」という言葉は聞いたことがあるけれど、結局何をすればいいの?——本記事では編集部が5年以上ふるさと納税で活用してきたノウハウをもとに、ワンストップ特例の使い方を完全解説します。読み終える頃には、迷わず申請できるようになります。
ワンストップ特例制度とは
ワンストップ特例制度は、確定申告をしなくてもふるさと納税の控除が受けられる便利な仕組みです。
通常、ふるさと納税で控除を受けるには確定申告が必要ですが、以下の条件を満たす人(確定申告をする必要がない会社員や年金受給者など)なら、簡単な書類を寄付先の自治体に送るだけで控除が完了します。
対象者の3条件
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| ① 確定申告不要な人 | 確定申告をする必要がない給与所得者・年金受給者などで、医療費控除や住宅ローン控除(初年度)等の申告も予定していない人 |
| ② 寄付先が5自治体以下 | 同じ自治体に複数回寄付してもカウントは1自治体 |
| ③ 期限内に申請書を提出 | 寄付した翌年の1月10日必着 |
これら3つすべてを満たす場合のみ、ワンストップ特例が利用できます。
確定申告との違い
| 項目 | ワンストップ特例 | 確定申告 |
|---|---|---|
| 対象者 | 確定申告不要な会社員・年金受給者など | 自営業・フリーランス・申告予定者 |
| 寄付先上限 | 5自治体まで | 制限なし |
| 必要書類 | 申請書+本人確認書類のコピー | 確定申告書+寄附金受領証明書 |
| 提出先 | 各自治体に郵送 | 税務署 |
| 提出期限 | 翌年1月10日必着 | 翌年3月15日 |
| 控除のされ方 | 翌年6月以降の住民税から減額 | 所得税還付+住民税減額 |
ワンストップ特例の利点は手続きが簡単なことです。書類1枚と本人確認書類のコピーを自治体ごとに郵送するだけで済みます。オンライン申請に対応した自治体なら、郵送もいりません。
ワンストップ特例の使い方(実際の流れ)
ステップ1: 寄付時に「申請書を希望する」にチェック
楽天ふるさと納税・さとふる等のサイトで寄付するとき、注文画面に「ワンストップ特例の申請書を希望する」のチェックボックスがあります。これに必ずチェックを入れます。
チェックを入れると、後日返礼品とは別に自治体から申請書類が郵送されてきます(早ければ1週間、遅いと1ヶ月かかる場合も)。
ステップ2: 申請書に必要事項を記入
申請書(正式名称:寄附金税額控除に係る申告特例申請書)に以下を記入します。
- 寄付者の住所・氏名・生年月日・電話番号
- マイナンバー(個人番号)
- 寄付した自治体名・寄付金額・寄付日
- 「地方税法附則第7条第1項(第8項)に規定する申告特例対象寄附者である」のチェック(確定申告をする必要がない人だけ)
- 「地方税法附則第7条第2項(第9項)に規定する要件に該当する者である」のチェック(その年の申請先が5自治体以下の見込みの人だけ)
- 押印は不要(2021年4月から。古い様式に押印欄が残っていても押さなくてかまいません)
申請書 記入例(イメージ)
┌──────────────────────────────────────────┐
│ 寄附金税額控除に係る申告特例申請書 │
│ │
│ 〒XXX-XXXX │
│ 住所:東京都〇〇区〇〇1-2-3 │
│ 氏名:山田 太郎 │
│ 生年月日:昭和60年4月1日 │
│ 電話番号:090-1234-5678 │
│ 個人番号:1234 5678 9012 │
│ │
│ 寄付年月日:2026年11月15日 │
│ 寄付金額 :30,000円 │
│ 寄附先自治体:北海道〇〇市 │
│ │
│ ☑ 附則第7条第1項(第8項)に規定する │
│ 申告特例対象寄附者である │
│ ☑ 附則第7条第2項(第9項)に規定する │
│ 要件に該当する者である │
└──────────────────────────────────────────┘
⚠️ よくある記入ミス:①個人番号の桁数間違い(12桁ピッタリ)、②生年月日を西暦と和暦で混同、③本人確認書類のコピーの添付漏れ、④チェック欄2箇所のうち片方を入れ忘れ。全項目記入後にスマホで写真を撮って提出記録を残すのが編集部の鉄則。
ステップ3: 本人確認書類のコピーを添付
マイナンバーカードを持っているなら両面コピー1枚で完結します。
持っていない場合は以下の組み合わせ:
- マイナンバー通知カード or 住民票の写し(マイナンバー記載あり)
- 運転免許証 or パスポート等の顔写真付き本人確認書類
ステップ4: 翌年1月10日必着で各自治体に郵送
各寄付先の自治体宛に、申請書+本人確認書類のコピーを郵送します。
⚠️ 「1月10日必着」であって発送ではありません。年末年始は郵便が遅延しがちなので、年内に投函するのが安全です。
ステップ5: 翌年6月以降の住民税が減額
正しく申請されていれば、翌年6月から始まる住民税が寄付額-2,000円分減額されます。給与明細の住民税欄を確認しましょう。
オンライン申請の準備:マイナンバーカードとスマホ
寄付先の自治体がオンライン申請に対応していれば、申請書の記入も郵送もいりません。スマホでマイナンバーカードを読み取れば手続きが終わります。総務省も、2022年(令和4年)の寄付から一部の自治体でマイナンバーカードを使ったオンライン申請ができると案内しています。総務省「税金の控除について」
マイナンバーカードと署名用電子証明書の暗証番号
本人確認には、カードの中にある署名用電子証明書を使います。暗証番号はカードを作ったときに決めた英数字6〜16桁です。5回続けて間違えるとロックされ、市区町村の窓口で再設定するまで使えません。うろ覚えなら、申請の前に窓口で確かめておきましょう。
カードを読み取れるスマホ
読み取りにはNFC(かざして読み取る機能)に対応したスマホが必要です。近年のiPhone・Androidはほぼ対応しています。不安なら、マイナポータルアプリで一度読み取りを試しておくと当日あわてません。
サイト別のオンライン申請手順
どのサイトでも、オンライン申請が使えるかは寄付先の自治体しだいです。寄付履歴やアプリに申請ボタンが出ていれば対応、出ていなければ紙の申請書を郵送します。
楽天ふるさと納税
ログインして「寄付履歴」を開き、対応している寄付に表示される「ワンストップオンライン申請」から進みます。申請先は外部サービスの「自治体マイページ」(読み取りはマイナポータルアプリ)か「ふるまど」(読み取りはIAMアプリ)で、どちらになるかは自治体ごとに決まっています。期限は寄付した翌年の1月10日23:59です。楽天ふるさと納税「ワンストップ特例制度 オンライン申請手順」
さとふる
自社の「さとふるアプリ」から申請できます(対応自治体のみ)。複数の自治体に寄付した場合も、アプリの中でまとめて手続きを進められます。楽天との違いは楽天 vs さとふるの比較にまとめました。
ふるなび
ふるなびアプリ・マイナンバーカード・読み取り対応のスマホが必要です。寄付する前に会員登録し、ログインした状態で寄付しておくことも条件になっています。申請先は「ふるなびワンストップe申請」「ふるまど」「自治体マイページ」の3つで、寄付先が対応しているものを使います。ふるなび「ワンストップ特例 オンライン申請」 詳しくは楽天とふるなびの比較へ。
ふるさとチョイス
「ふるさとチョイスアプリ」のワンストップ申請、「ふるまど」、「自治体マイページ」の3つがあり、自治体ごとに使えるものが違います。対象は、ログインしてオンライン申請に対応したフォームから申し込んだ寄付です。楽天との違いは楽天とふるさとチョイスの比較で整理しています。
| サイト | 申請の入口 | 使うアプリ |
|---|---|---|
| 楽天ふるさと納税 | 寄付履歴の申請ボタン | マイナポータルアプリ または IAMアプリ(申請先による) |
| さとふる | さとふるアプリ | さとふるアプリ |
| ふるなび | ふるなびアプリ(事前の会員登録・ログイン寄付が条件) | ふるなびアプリ ほか申請先による |
| ふるさとチョイス | アプリ・ふるまど・自治体マイページ | 申請先による |
アプリの名前や対応状況は変わることがあります。申請する前に、寄付したサイトの案内で最新の手順を確認してください。
オンライン申請でつまずきやすい4つのこと
1つ目は、全部オンラインでいけると思い込むことです。対応は自治体ごとに分かれます。申請ボタンが出ていない寄付は、紙の申請書に切り替えてください。
2つ目は暗証番号のロックです。焦って何度も入れ直すと5回でロックされ、窓口での再設定が必要になります。
3つ目は、反映の確認を急ぎすぎること。オンラインで送っても、自治体側の処理には数日〜数週間かかることがあります。寄付履歴の申請状況が「受付済み」などになっていれば、しばらく待って大丈夫です。
4つ目は、サイトをまたいで1つのアプリで済ませようとすることです。楽天で寄付した分はさとふるのアプリでは申請できません。寄付したサイトごとに手続きします。
