2025年10月1日、ふるさと納税の制度に大きな改正が入りました。長年「お得すぎる」と言われ続けてきたポータルサイトのポイント還元が原則禁止となり、寄付者の還元率は大きく変動しています。本記事では「何が変わって何が残ったのか」「新ルール下で最大限お得にするにはどうすればいいか」を、5つのポータルの動向と合わせて整理します。
制度改正の概要:2025年10月1日から何が変わった?
総務省は2025年10月1日付で、ふるさと納税制度の運用ルールを改正。ポータル各社が独自に行っていた寄付に紐づくポイント還元の付与を禁止しました。
廃止されたもの
- 寄付金額に応じた独自ポイント付与(例:寄付1万円で500ポイント等)
- ポータル独自のキャンペーンによる還元ポイント上乗せ
- 「○%還元」「ポイント最大○倍」といった寄付者誘引型の付与
残されたもの
- クレジットカード決済の通常ポイント(カード会社側が付与する分。楽天カードなら通常1%前後)
- 「5と0のつく日」など、楽天カード側のキャンペーン特典(カード会社の施策なので対象外)
- PayPay・d払い・Amazon Pay等の決済手段側キャンペーン(さとふる・ふるなび等。内容は決済会社ごと)
つまり今回の改正で、寄付に対してポータル側が付けていたポイントは原則すべて禁止されました。楽天市場の通常ポイント・SPU・お買い物マラソンの買い回りも、寄付分には乗りません。残るのは「どのカード・決済手段で払うか」で決まる、決済側のポイントだけです。
👉 制度の基本的な仕組みを再確認したい方は ふるさと納税とは?仕組みを5分で理解 をどうぞ。
なぜ廃止された?背景にある総務省の意図
総務省が問題視したのは「自治体の財源が、ポータル各社の還元原資に流れている」点でした。ポイント還元は実質的にポータルが負担しますが、その原資は自治体への手数料に転嫁され、結果として寄付金の一部が本来の使途(地方の振興)から離れてしまうという構造です。
過去にも以下のような段階的な規制強化が続いていました:
| 改正時期 |
主な内容 |
| 2019年6月 |
返礼品は寄付額の3割以下・地場産品に限定 |
| 2023年10月 |
経費5割ルールの厳格化(送料・事務費・広告費も算入) |
| 2025年10月 |
ポータル独自ポイント還元の禁止 |
つまり今回の改正は「地方への還元を強化する方向への自然な延長線」と言えます。
寄付者への影響:実質還元率はどう変わった?
改正前(2025年9月まで)の実質還元率
- 返礼品の還元率:寄付額の30%相当
- ポイント還元:キャンペーンを重ねれば寄付額の10〜20%程度が上乗せされるケースもあった(ポータル独自分+各種キャンペーン)
- 合計:40〜50%相当の実質還元になることもあった
改正後(2025年10月以降)の実質還元率
- 返礼品の還元率:30%相当(変わらず)
- ポータルが寄付分に付けるポイント:0%(禁止)
- 楽天カードなど決済カード側の通常ポイント:1%前後
- 「5と0のつく日」などカード側キャンペーン:通常分と合わせて最大3%前後(要エントリー・上限あり)
- 合計:31〜33%程度(返礼品30%+カード側1〜3%)
ざっくり10ポイント前後の還元率ダウンとなりました。「自治体ポイント」「ANAマイル変換」などのバリエーションも軒並み廃止されています。なお、SPUやお買い物マラソンの買い回りは寄付分には付かなくなった点に注意してください。
寄付額別の還元シミュレーション
ピンとこない人のために、年収600万円・独身(限度額77,000円)の人で改正前後の還元差を比較してみます。
| 項目 |
改正前(〜2025/9) |
改正後(2025/10〜) |
| 寄付額 |
77,000円 |
77,000円 |
| 返礼品の市場価値(30%相当) |
約23,000円 |
約23,000円 |
| ポータルが寄付分に付けるポイント |
約7,700円分(10%前後) |
0円(禁止) |
| 決済カード側のポイント |
約770円(1%) |
約770円(1%)〜最大約2,310円(3%) |
| 実質手取り総額 |
約31,500円相当 |
約23,800〜25,300円相当 |
| 自己負担 |
2,000円 |
2,000円 |
差し引きおおむね6,200〜7,700円分の還元減。それでも自己負担2,000円で23,000円超の返礼品が手に入る計算なので、お得さ自体は健在です。なお「5と0のつく日」に楽天カードで決済すれば、改正後でもカード側のポイントを上積みできます。
ポータル別の対応:5社の動きまとめ
1. 楽天ふるさと納税
改正で寄付分にはSPUもお買い物マラソンの買い回りも付かなくなりました。楽天で残るのは、楽天カード決済の通常ポイント(1%前後)と、「5と0のつく日」など楽天カード側のキャンペーンです。寄付日を「5と0のつく日」に合わせ、楽天カードで支払うのが基本戦略になります。
👉 楽天ふるさと納税の使い方は 楽天ふるさと納税完全攻略 で詳しく解説。
2. さとふる
PayPayポイント連携を強化。PayPay決済キャンペーンを通じて間接的に還元率を維持しています。寄付額に応じたポイント付与のキャンペーンは2025年10月1日で終了し、会員ステータス「さとふるマイステップ」は保有ポイントの換算率・交換率に反映する形で続いています。
3. ふるなび
寄付額に応じたふるなびコインの付与を2025年9月末で終了しました。手元に残っているコインは、Amazonギフトカード・PayPayポイント・dポイント・楽天ポイントに交換できます。寄付の支払いにはPayPay・Amazon Pay・d払いなどが使えるので、上乗せは決済サービス側のキャンペーン次第です。楽天との違いは楽天ふるさと納税とふるなびの比較で整理しています。
4. ふるさとチョイス
寄付に応じて付けていた独自ポイント「チョイスマイル」を2025年9月で終了しました。支払いはクレジットカード・Amazon Pay・PayPay・d払い・au PAYなど全14種類に対応していて、上乗せは決済サービス側のキャンペーン次第です。ガバメントクラウドファンディングや災害支援など、寄付の使い道から選べるのも特徴です。楽天との違いは楽天ふるさと納税とふるさとチョイスの比較で整理しています。
5. ANAふるさと納税
寄付に応じたANAマイルの積算は2025年9月30日の寄付分で終了しました(ANAカードマイルプラスの積算も同日まで)。10月以降も、持っているマイルをANA Pay残高に替えて寄付に使う機能は残っています。
👉 ポータル比較の最新版は 楽天 vs さとふる徹底比較 もチェック。
新ルール下でやるべき3つのお得テクニック
テクニック1:楽天は「楽天カード+5と0のつく日」で寄付する
改正後の楽天で残る上乗せは、決済したカード会社側が付けるポイントです。寄付の支払いを楽天カードにし、さらに「5と0のつく日」にエントリーしてから寄付すれば、カード側のポイントを取りこぼさずに済みます。
- 支払いは必ず楽天カード(通常1%分が付く)
- 寄付日を5・10・15・20・25・30日に合わせる
- エントリーは開催日の当日中に(当日中なら寄付の後でも対象。忘れないよう寄付の前に済ませると安心)
なお、寄付と同時期に楽天市場で別の買い物をするなら、その買い物側ではお買い物マラソンを活用できます(寄付分には乗りませんが、通常の買い物には引き続き有効です)。
テクニック2:楽天以外は「決済手段のキャンペーン」で選ぶ
楽天以外のポータルでは、寄付の支払いに使う決済手段側のキャンペーンが実質的な上乗せになります。自分のメイン決済に強いポータルを選ぶのがコツです。
- さとふる:PayPay残高払い+PayPayのキャンペーンを重ねる
- ふるなび:PayPay・Amazon Pay・d払いなど、決済サービス側のキャンペーンを使う(使える決済は自治体ごとに違う)
- 共通:自分が普段使う決済(PayPay・Amazon等)に強いポータルを選ぶ
寄付分そのものにポイントは付かなくても、決済手段側の還元で実質的なお得を確保できます。
テクニック3:年末は「12月中に決済完了」を最優先する
ふるさと納税はその年の控除に使うには12月31日までに決済を完了させる必要があります。改正でポイントの上乗せが小さくなった今こそ、返礼品の質と控除上限額の使い切りを優先しましょう。
- 12月後半は人気返礼品が品切れしやすい→早めに寄付先を決める
- クレジット決済は12月31日中の確定で当年扱い(自治体ごとに締めが違うので余裕を持つ)
- 上限額ギリギリまで使い切ると、自己負担2,000円あたりの満足度が最大化
👉 年末の期限と間に合わない時の対処は ふるさと納税はいつまで?期限と間に合わない時 を参照。
次の改正:2027年の寄付から、高所得の人は控除に上限ができる
ポイント禁止の次に決まっている改正があります。令和8年度の税制改正大綱で、住民税の「特例控除」(ふるさと納税の控除のうち、自己負担2,000円を超える部分を埋める中心の部分)に、金額の上限を設けることが決まりました。
上限は「住民税所得割額の2割」と「193万円(道府県民税77万2千円+市町村民税115万8千円)」の低い方です。これまでは所得割額の2割だけでした。適用は令和10年度分の住民税からなので、2027年中に寄付した分から対象になります。
影響を受けるのは、住民税の所得割額が965万円を超える人、つまり住民税の課税所得がおよそ9,650万円を超える人です。ほとんどの人は、これまでどおりの限度額で寄付できます。対象になりそうな人は、2027年の寄付額を決める前に税理士などに確認してください。
2026年10月から始まった自治体側のルール変更(募集費用の基準・地場産品基準)は、2026年10月の改正で何が変わるかで整理しています。
出典:財務省「令和8年度税制改正の大綱」
よくある失敗・注意点
ここからは、ポイント還元廃止後の「やってはいけない」よくある失敗パターンをまとめます。
罠1:旧ブログの古い情報を信じる
ネット上には改正前のポイント還元情報が大量に残っています。「ふるなびで20%還元」「さとふる10%還元」等の見出しは、ほぼ全て2025年9月以前の情報。記事の日付を必ず確認してください。
罠2:ポイント還元目的でポータルを乱立利用
複数のポータルを跨いで使うと、ワンストップ特例の申請書管理が煩雑になります。ポイント還元が大幅に減った今、メインのポータルを1〜2社に絞る方が確定申告・申請書管理が楽です。
罠3:上限額計算をサボる
ポイント還元減でお得度が下がった分、控除上限額の正確な計算がより重要になりました。1円でも超過すると、超過分は普通の寄付扱い(控除なし)です。
👉 控除上限額シミュレーター で年収別の正確な上限額を確認。
罠4:「5と0のつく日」のエントリーを忘れる
楽天カードの「5と0のつく日」特典は開催日ごとのエントリー必須。これを忘れると、せっかく対象日に楽天カードで寄付してもカード側の上乗せ分が付きません。改正後はこのカード側の上乗せが数少ない還元源なので、取りこぼしは痛いです。
→ 対策:開催日の当日中に必ずエントリー(当日中なら寄付の後でも対象)。楽天市場アプリの通知をONにして、対象日を逃さないようにする。
罠5:カード側ポイントの付与時期を見落とす
「5と0のつく日」など楽天カード側のキャンペーンポイントは、決済の翌月15日前後に期間限定ポイントとして付与されます。有効期限が短いものもあり、気づかないうちに失効するケースがあります。
→ 対策:付与予定月のカレンダーにリマインダー登録。期間限定ポイントは楽天ペイでの日常決済に使うのが消化しやすいです。
罠6:ワンストップ特例の管理を雑にする
複数ポータルを使うと、申請書も自治体ごとにバラバラに届きます。翌年1月10日必着を1自治体でも逃すと、その自治体分だけ確定申告が必要に。
→ 対策:メインポータルを1社に絞る/オンラインワンストップ(マイナンバーカード方式)に対応した自治体を優先選択。詳しくはワンストップ特例ガイド。
まとめ:これからのふるさと納税3つの新常識
- ポイント還元の絶対比較はもう終わり → 楽天は楽天カード+「5と0のつく日」、その他は決済手段キャンペーンで選ぶ
- メインポータル1〜2社に絞る → 申請書管理の簡素化が新時代のコツ
- 返礼品の質で選ぶ時代へ → 還元率横並びの今、「何を貰えるか」が選定の主軸
ポイント還元の旨味は減りましたが、返礼品の還元率30%相当という最大のメリットは健在です。自分の生活に本当に必要なものを、地方を応援しながら受け取るという制度本来の使い方に立ち戻る——それが2026年以降のふるさと納税の新しい楽しみ方です。
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💡 寄付分にポータルのポイントは付きませんが、楽天カード決済+「5と0のつく日」のカード会社側特典(最大3%前後)は残ります
ポイントの上乗せが小さくなった分、返礼品そのものの満足度で選ぶことがこれまで以上に効いてきます。金額帯から探すなら 金額別のおすすめ返礼品、家計に直結するものから選ぶなら 米のおすすめ や 日用品のおすすめ が入り口になります。
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